5-ALA(5-アミノレブリン酸)とは

5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、細胞小器官の1つであるミトコンドリアで合成される機能性アミノ酸です。生命が誕生したときから存在していたと考えられ、植物および動物の体内において生命活動の維持に重要な働きを担っていることから、生命の根源物質とも言われています。

 

5-ALAは、植物においては、光合成を行うために必要な葉緑素(クロロフィル)、ヒトや動物においては細胞にとって極めて重要な働きをするヘムに代謝されます。ヘムは生体内において、①ミトコンドリアの電子伝達系でのATP産生に必要な複合体(チトクロームcオキシダーゼなど)、②毒物の解毒や薬剤の代謝に必須のチトクロームP450ファミリー、③赤血球産生に必須のヘモグロビンなど、生命活動の維持には不可欠な物質の構成因子として利用されます。

 

 

その体内産生量は、加齢とともに減少することが知られており、小動物(犬・猫)領域でもペットの高齢化に伴い、5-ALAを適宜補充することで、ペットの健康寿命を延ばす可能性があると期待されています。

5-ALAの活用

これまで、5-ALAは化学的な合成方法によって製造されていました。そのため、製造コストが非常に高く、その用途は研究用などに限られていました。しかし現在は、光合成細菌という微生物を使った発酵法により、従来よりも安全でかつ大量に生産することが可能になり、様々な分野において5-ALAが活用され始めています。

 

その中でも獣医療(犬猫)においては、5-ALAを簡単に摂取できる犬猫用のサプリメントが販売されたこともあり、その活用の幅が大きく広がっています。現在、様々な施設で5-ALAが犬や猫に与える影響について研究が進められており、これからの発展がますます期待されます。

 

(犬猫における5-ALAの活用について、詳しくは正会員ページからご覧いただけます。)